神奈川県では令和6年度(2024年度)の公立高校入学試験からインターネットでの出願となったのですが、その際にgmailアカウントを使うと出願システムから送られてくるメールが届かない、というトラブルが発生しました(1/31時点トラブル継続中)。
最近はSMSでのコミュニケーションが主になりメールを使う機会が減ったこともあり、gmailを初めとしたフリーメールしかもっていない人も多いかと思います(特に若い人は)。
そういう社会情勢もある中、メールだけの連絡にしてしまい、SMSなどの代替連絡手段を用意しなかったことの是非等、そもそもどうあるべきだったかは議論の余地が多くあるように思えますが、気になるのは「このシステムをどこの会社が作ったのか」ではないでしょうか。
行政機関の場合、システム構築と言えども発注は公募で行われるので、調達情報を見ればどの会社が案件を受注したのかが分かります。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」の状況
「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」の状況は神奈川県のサイトを見ると分かります。
事態が収拾するとサイトは早々に消されてしまうと思いますが、1/31時点では下記のようになっています。
サイトのURLが「https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/system.html」となっていること自体、なかなかのセンスのなさを感じますが、内容1ページにすべて詰め込んでカオスとなっています。
1/10に第1報が掲載されて1/19日の第13報で復旧宣言したものの、1/23に再発。
1/24に新第1報が掲載されて、1/26の新第3報が最新となっています。
これ、サイト長過ぎですね。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」の公募情報
さて、このシステムの構築会社についてですが、システム構築の案件が公示されたのが2023年2月10日で入札期間は2023年3月28日~30日になっていました。
1年以上前の情報になるので、神奈川県の「入札情報サービスシステム」サイトからは情報が消えていましたが、JETROの「政府公共調達データベース」サイトには情報がありました。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜統合型WEB出願システム構築及び運用・保守業務委託」が正式名称です。
入札参加資格で「(6) 事業者として、公立高等学校入学者選抜におけるインターネット出願システムを導入し、遅滞なく履行した実績(本入札公告日より過去5年以内のものに限る。)があること。」とあるので、構築経験がある会社のみが入札できるようにしていたようです。
具体的なシステム構築の内容は仕様書に記載されているはずですが、仕様書は見つけることができませんでした。
「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」の入札(落札)情報
このシステムの公募結果(落札結果)については、神奈川県の「入札情報サービスシステム」サイトに掲載がありました。
このサイト、検索がとても使いづらいのですが、何とか情報にたどり着くことができました。
当然ですが、ちゃんと「落札」されてますね。
入札方式は「一般競争入札(技術審査型)」とあるので、単純に安ければよいわけではなく、構築内容も吟味した上での落札となっているようです。
入札結果は入札調書としてPDFファイルで公開されていました。
内容としては以下です。
3社が入札したようですね。
・(株)システム研究所
・キャノン電子テクノロジー(株)
・三菱総研DCS(株)
「キヤノン電子テクノロジー」は調書では「キャノン電子テクノロジー」と記載されており、社名間違っていますね・・・。ここは間違っちゃダメな部分なような気がします。
落札者は「(株)システム研究所」となっていますので、この会社が「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」を構築したようです。運用も担っているので、今回の障害対応も行っているものと思われます。
どのような会社か気になる方はご自身でお調べください。
まとめ
「神奈川県公立高等学校入学者選抜インターネット出願システム」の構築会社は「(株)システム研究所」のようです。
なお、今回のシステム障害内容の推察は色々なサイトで行われていますが、DNSやAWSの設定不備に依る部分が大きそうで、神奈川県側の入札選定が正しかったのか(技術審査が妥当であったか)問われそうですね。
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